Chantori Blog

Medical Physics / Monte Carlo Simulation / Medical Image Processing

AAPMに参加しました①

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今回は研究関連を中心に書きます。

1. 僕の発表
僕の発表形式はePosterでした。ePosterの発表会場には、5つの電子モニターが並んでおり、各モニターに演者5人がそれぞれのePosterを映し、各演者が順番に自分の発表を3分程度で発表していきます。聴衆は発表中のモニターの周りに集まり、発表が終わると次のモニターへと移動していきます。質疑応答では4人の聴衆から質問をしてもらえました。このブログの前回の更新では、自分の発表に対するモチベーションは相対的には高くはないという趣旨のことを書きましたが、それでも他の研究者から自分の研究を認めてもらうことは大きな自信になりますし、新たなヒントも得られました。

2. 学会全体について
当初、先行する研究者らの最新の研究発表を聞くことができると、非常に期待していました。結果として、この期待は少し方向が間違っていたと今では感じています。もちろん参考になる研究はとても多く、研究のヒントを多く見つけられました。しかし、今回強く感じたことは、学会において、研究者に直接会うことが非常に有効だということです。これまでは”名前”しか知らなかった相手研究者に対し、”顔”や”話し方(アクセント)”、さらには”人柄”という情報が加わったことで、相手に対する距離感が圧倒的に縮まったように思います。今後は彼ら(彼女ら)が書いた論文を読むときに、その顔や口調も同時に浮かび、これまでと違った読み方ができるのではないかと期待しています。この現象がどの程度自分にとって役に立つのかは、時間が立ってみないことには評価はしにくいですが。
この学会は、僕の名刺が非常に有効であった学会でもありました。名刺交換とその後のやり取りを通して、今後も大切にしていきたいと思うような、つながりをつくるきっかけができました。また、僕が普段話せないようなレベルの研究者に対しても、一方的ではあっても名刺を渡すことで、運が良ければ、僕の論文を読んだ時に僕のことを思い出してくれないかな、という期待もあります。

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学会の雰囲気は毎年4月に横浜で行われる、日本医学物理学会と似ていたように思います。多数の部屋で同時に発表が行われ、大ホールでは企業の製品の展示が行われます。展示場の周りにはポスターが設置されていました。MOBIUS社の講演を聞いて、モバイルバッテリーをもらいました。うぇーい。

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参加者全体として感じたのは、アジア系が意外と少ないな、ということです。外国から来たアジア系は観光へ繰り出していたか、jet lagでホテルで寝ていたのかもしれません。いずれにせよ、アメリカの学会なので当然なのかもしれませんが、予想よりも白人系が多かったです。
日本での学会でもそうですが、昼ごはんは基本的に学会側から支給されるのでありがたいです。しかし、日本の学会とは中身が全く違いました。スタンダードな昼ごはんは、ハンバーガー(トマト、チーズ、レタス、チキン)(ベジタリアン用には、椎茸、チーズ、トマト、レタスをほうれん草ベースの生地で巻いたもの)、リンゴ(丸ごと)、ポテチ、チョコチップクッキー、水です。全く同じランチを3度食べました。僕は味音痴を自負していますが、食文化の違いにはかなり苦しみました。

3. 共同研究者との打ち合わせ
この打ち合わせは今回非常に重要視していたことですが、少し方針転換したいというこちらの意見に対して、肯定的な意見と、良いコメントを頂く事ができました。これから日本でまず始めるべきこと、そして意識していかなければならないことが非常に明確になったように思います。
また、相手方の所属機関が主催する内輪のパーティーに参加させてもらうこともできました。このパーティーには日本からの参加者は私を含め2人だったのに対し、相手方は50人程度と完全なアウェーでした。しかし同年代の研究者と様々な話ができ、非常に刺激を受けました。中でも僕が仲良くなった相手(中国出身とカナダ出身)は専門がエンジニアリング系だったため、研究以外の話題は診断画像のfacial recognitionVRgenetic engineeringUberなどまさに現在ホットな領域(+ 異性)について多かったように思います。若い世代はアジア系が非常に多く、ネイティブのような英語を話していました。僕が今から英語圏で暮らし始めたら、この英語レベルになるまでにはどれくらいかかるのかな?などと考えたりしました。

次回は研究以外のことについて書けたらなと思います。

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