ボストンの部屋探し(1) ~ビットコイン詐欺~
if it seems too good to be true, it probably is.
ボストンで滞在する部屋探しが一段落しました。最終的に満足できる物件にたどり着くまでに経験した事を何回かに分けて書きます。
ボストンでの部屋は主にCraigslist(https://boston.craigslist.org/)で探しました。
Craigslistは、イメージで言うとメルカリのようなものでしょうか。中古品を当事者同士が安値で売り買いする無料のサイトです。
このサイトには物件も多く出ているわけですが、当初の渡米予定だった10月は年度の始まりだったこともあり、物件の空きがあまりありませんでした。
渡米前にどうしても部屋を決めたかった僕は、有料サイトに探索の手を広げました。Easyroommate.comです。
EasyRoommateではCraigslistに載っていなかったような物件も扱っており、立地的にも価格的にも夢のような物件を見つけました。（ちなみに月650$）
そこで早速家を決めてしまおうと、家主に詳細を尋ねました。
まず、他のハウスメイトの国籍を尋ねたところ
俺と日本人と犬だ。犬はハウスメイトのだ。
とのことでした。この時点で思ったのが
疑問① 本当に日本人がいるのかな？その人は日本から犬を連れて行ったのかな？
でした。
次に、家の写真を送ってほしいと頼みました。何枚か写真が送られてきましたが、以下の2枚を見て、また「？」となりました。
どちらもキッチンですが、向きが違います。にもかかわらず、窓はどちらの写真も奥にあります。そこで思ったのは、
疑問② 3人で住むのに、キッチンが2つあるのかな？それとも大きなキッチンなのかな？
でした。極めつけは最後の一枚です。↓
疑問③ これはどう見てもボストンじゃないだろ… 写真のテイスト違いすぎだし... ヤシの木あるし… プール付きだなんてこれまで一言も宣伝してなかったし…
以上のようにいくつか不可解な点があったものの、この時点では「家主は少し盛ってでも自分の家を良く売り込みたいんだな♪」程度で考え、Deposit(300$)を払おうとしました。そこで家主から言われたのは
ビットコイン！
日本では相当アンテナが高い人じゃないと手を付けてないんじゃないでしょうか。しかしここでも僕は「さすがアメリカは進んでるな！俺もこれを機に始めよう！」と乗り気になり、家主から急かされていたこともあり、早急にビットコインのアカウントを作りはじめました。
ビットコインには2種類の送金方法があります。1)ビットコインATMから相手の口座に振り込む、2)スマホ等のビットコインアプリから送る です。
家主は執拗に、1)で早急に送るよう要求してきました。
しかし、僕が住む街には、ビットコインATMがありません。というか、日本には東京と大阪にしかありません。
（ビットコインATMが使えない理由を説明するために家主に実際に送った、ビットコインATMの分布図）
早急にDepositするよう要求されましたが、ビットコインの口座開設に個人を認証する手続きを待つために3日ほど何もできない状態が続きました。その間、奇跡的なタイミングでEasyRoommate.comの管理会社から以下のメールが届きました。
我々のサイトには悪徳業者が存在しているのも確かであり、使用者は常に注意深く、以下に気をつけなければなりません：
・その地区にしては家賃が安すぎないか？
・家主は家がしっかり写った写真を提供しているか？
・家主はあなたが部屋を直接見ていないにも関わらず、即座にお金を要求していないか？
・家主はあなたに、Western Unionなどの送金サービスを使って支払うよう、要求していないか？もし１つでも”Yes”ならば、詐欺の可能性が高いです。
Remember, if it seems too good to be true, it probably is.
ビットコイン口座の開設を今か今かと待っている状況の中で、このメールを読み、最後の一文を読み、やっと我に返りました。全部当てはまってるじゃん…
人生初の詐欺、それもボストンのビットコイン詐欺にあった（あいそうになった）ショックと、10月予定だった渡米が12月に変更になり時間に余裕ができたことが重なり、ボストンの物件探しからはこの後しばらく手を引いてしまうのでした。
そんな僕が、もう一度物件探しに熱を上げるのは、10月の中盤でした。
今日の教訓：世の中には、良い人ばかりではない
つづく。
