Chantori Blog

Medical Physics / Monte Carlo Simulation / Medical Image Processing

AAPMに参加します

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ワシントン DCに来ました。AAPM  Annual MeetingAmerican Association of Physicists in Medicine: 米国医学物理学会)に参加するためです。学会が始まる前の今の時点での、僕の状況と考えを書いておこうと思います。上の写真は市内の大きな地下鉄駅、Union Stationです。

 

この学会は僕の研究領域における最高峰の学会です。医学物理というのは、簡単に言うならば「放射線を用いた医療(治療・診断)についての研究領域」と言えるのではないでしょうか。レベルの高い学会なだけあり、この学会が出版している雑誌「Medical Physics」は、この分野の研究者であればいつかは自分の論文を掲載させたいと願う雑誌だと思いますし、この学会に発表演題を受理されることは非常に光栄なことです。

 

僕は今年の2月ごろ、非常に幸運に恵まれ、当時の研究内容をまとめてAAPM Annual Meetingに投稿し、演題を受理されました。学会参加だけでなく、始めてのアメリカ、さらに会場はワシントン DCと、願っても止まない貴重な機会にとてもワクワクしています。支援していただいた方には心から感謝しています。

 

現時点で考えている、この学会での重要なポイントは3つあります。

①自分の研究の発表
僕の演題は、ePosterという発表形式で受理されました。発表形式には、Oral(口頭)、ePoster(電子ポスター)、Posterがあり、採択数はePosterが最も少ないです。ePosterというのは、HPによれば”ePosters include a select group of high-scoring posters on a specific theme identified by the Program Directors to be of special interest to attendees of the scientific program.”と書いています。要するに、ポスターの中でも一般的に関心が高いと思われるものをePosterにしたということですね。うれしいです。

正直なところ、今回発表する研究はすでにある程度終了した研究ですので、本来の学会発表の趣旨とはずれているかなと感じています。なぜなら、僕が考える学会発表の目的とは、「現在進行中の研究について他の研究者からの指摘を受け、軌道修正を行ったり、考察を深めること」だと思うからです。この意味では、今回発表する研究に関して良いディスカッションができたとしても、それを反映できる研究はすでに終わっている、ということが自分の中では残念な部分です。そのためモチベーションは①よりも、以下の②、③の方が高いと言えます。(もちろん①も。準備はしっかりしています。)

 

②関連研究の最新の動向を調査
最高峰の学会なだけあって、参加する研究者らのレベルが高いです。学会HPからは参加者リストや演題などが検索可能なのですが、僕が論文を書くときに引用した、素晴らしい研究をしている先生方が、参加されるようです。その先生方の最新の研究を聞いたり、ディスカッションをしたりということが、とても楽しみです。もし万が一僕のことを論文などを通して知っている研究者がいるとしたら、とてもうれしいですね。

 

③海外の共同研究者との打ち合わせ
共同研究をしている海外の研究者と、直接会って研究の打ち合わせを行うことを予定しています。現在の研究について方向転換が必要だと考えていた時だったので、いつもはSkypeを通して行っている打ち合わせを直接会ってできるのはとても効率的だと思います。現在の自分に最も関わってくるのはこの部分だと思うので、僕の新しい研究計画についてどのような反応をくれるのか、楽しみでもあり怖くもあります。

 

予想してなかったようなことは起こるのでしょうか。楽しみです。