Week15: St.Patrick's day
サマータイムが始まると、帰り道にこんな夕日を見ることもなくなりました。
日本にいた頃、当時僕の研究テーマを1年分ほどリードしていたカナダの研究者がいました。お陰で僕の論文は後発扱いされ、度々憂き目を見てきました。
今週はその研究者の最新の研究発表を聞かせて頂く機会がありました。しかし残念ながら、今となっては”このテーマは本当に有意義なのだろうか?”と感じずに入られませんでした。
ボストンに来て色々と新しい事を学んだことで、昔の自分の研究は”単純化しすぎていた”、”ゴールの設定を間違っていた”等、色々な後悔が生まれます。そしてこういうことを知った後に、日本に帰って残りの博士課程を過ごす中で、何を新しく始めればよいのだろうか、新しく有意義なことができるだろうか、という絶望感・虚無感が湧いてくるのでした。
今週は月に1回のPhysics Lunchがありました。これは医学物理部門だけで行う内輪のランチで、会議室でピザを食べながら、最近の物理に関する話題をフランクにディスカッションします。今回準備されていたのは例えば以下のような話題でした。
- ホーキング博士の訃報
- 世界初の商用の核融合炉(と、さらに強力なクォーク融合炉の話)
- 双子の宇宙飛行士(双子のうち宇宙に行った方が意外にもテロメアが長くなった話)
- VRでスキー練習(スキースラローム米国代表が平昌オリンピックのコースをVRで予習していたという話)
医学物理士は物理・工学のバックグラウンドを持っているため、それぞれのトピックに対し専門的な情報が聴衆からも即興的に補足されていくのが、とても面白かったです。
例えば2.では、クォーク融合炉の原理を説明する上でアップクォークとダウンクォークの説明をしてくれる人がいたり、3.では低線量宇宙放射線によるホメオスタシスではないか(または時間が地球より遅く流れたために若返ったか笑)と議論したり、4.では果たしてこの作戦は善か悪か、効果はあるのか?という議論が活発になされていました。
普段のかしこまった講義も良いですが、今回のような機会は視野が広がります。周りのポスドク達も月1回のこの機会を楽しみにしているようでした。
週末にはハーバード大学自然史博物館に行っていました。今はMicrobial Lifeの特別展をやっています。動物の標本や鉱物の展示が豊富でした。クジラです。
今週はアイルランドのお祭りのst Patrick’s dayということで、緑の服を着て緑のものを食べる日でした。写真は先輩が食べた、グリーンモンスター(アボカドとえび天の寿司)です。
街中のアイリッシュパブはどこも緑色の服を着た人たちが長蛇の列を作っているので、人気のパブは諦め、CopleyのStephanie's On Newburyに行きました。このパブはスーパーボウルの観戦で僕が散々酔っぱらい、もう行かないと誓ったお店でした。
オーナーは未だに僕の事を覚えていてくれ、再会をとても喜んでくれました。ギネスビールを飲みながら、オーナーが次から次へとサービスしてくれるアイリッシュウィスキーを飲むと、前回同様にかなり酔っ払いました。もうこのパブの常連なので、酔ってもちゃんと帰れます。
今週の英語
- degrade: 尊厳を傷つける、侮辱的な “This is degrading.”
- waddle: よちよち歩く “Penguin is the animal swims in the ocean and waddles on the ground.”
- mull: 熟考する
- prohibitive: 禁止された、(値段・税金が)法外な “We will have to mull this over. The cost of the A is prohibitive.”