Chantori Blog

Medical Physics / Monte Carlo Simulation / Medical Image Processing

Month10: Same Page

 新学期が始まり、1年の始まりの行事や交流イベントが多く開かれています。私は部門内の交流を促進するためのピクニックでボスの子どもたちと戯れたり、ボストンに来て10ヶ月目にもかかわらず大勢の前で自己紹介をしたりしました。

 非ネイティヴ英語話者を対象とした、英語クラス "English as a Second Language (ESL) Course"が始まりました。近隣の語学学校の先生が来て教えてくれますが、英語の上達というよりは、様々な国の人と物事をどのようにうまく前進させて行くか、という方の負担が今のところは大きいです。
 ポスドクを対象とした医学物理のCertificate授業も始まりました。医学物理、イメージング、放射線腫瘍学の授業を各1コマずつ毎週とっており、宿題にも追われています。また、ボストン特有の事情としては、授業がMGHもしくはBWHで行われるため、毎回の出席者の約半数が1時間弱の移動を強いられるようです。

 ドイツから来られた先生の講演を聞きに、公的には初めてMGHへ行きました。室内を見渡すと、私が名前も顔も知っている先生、顔は見覚えがあるもののMGHにいるとは知らなかった先生等、有名な方が多くおられました。MGHのスター研究者や医学物理士レジデンスに囲まれて、ピリピリした緊張感を(おそらく必要以上に)感じました。もし留学先の候補のひとつとしていたMGHのラボに行っていたとしたら、どのような人生になっていたのでしょうか。
 講演ではスライド・音声がリアルタイムでストリーミングされており、URLさえ知っていれば、同じ空間にいなくても講演を聞くことができるようになっています。このような仕組みは大から小まで多くの講演において適用されており、アメリカの研究環境の素晴らしい点の一つだと思っています。

 

 私は今の研究段階を、共同研究者らとSame Pageにいることが特に重要なステージだと捉えています。そこで今月は周りとの意思疎通を増やし、会話の長さも意識的に増やしました。飲みに行く回数も自然と増えました。結果的にこの一ヶ月は、アメリカに来てから最も人と話した月となり、この数ヶ月間感じてきたスピーキングのスランプからはやっと脱しつつある気がします。しかしスピーキングを次のレベルに押し上げるための効果的な勉強法が分かりません。それは、自分のスピーキングに不足している部分を十分理解していない、ということになるのかもしれません。

 こちらの人が笑うタイミングやその理由を注意深く見ていると、日本とは少し異なる事に気が付きます。ボケとツッコミというのは基本的になく、ウィットの効いた皮肉が好まれることが分かってきました。誰かが言った皮肉に被せて皮肉述べるとポイントが高いようです。過大な表現を使って自分で自分を貶める、ボケに近いテクニックもあります。一般にアメリカンジョークと呼ばれるものにはまだ出会っていません。

f:id:chantori:20180930235914j:plainケープコッドのサイクリングロード

 ニューヨーク・ヤンキースを生で見た感想は、傑出したスター選手たちがピリピリとした緊張感を放っているな、という事です。そういう点で、ヤンキースの選手たちにMGHの研究者の姿を重ねていた私は、自身がnerdであるということ自覚する必要がありそうです。レッドソックスはこの日も負けました。