Chantori Blog

Medical Physics / Monte Carlo Simulation / Medical Image Processing

Month9: Night is short

長かった日照時間が少しずつ短くなってきましたが、ボストンの夏はもう少し続きそうです。新学期が始まり、研究室には新しいメンバーが加入しました。家のルームメイトは大半が入れ替わり、フレッシュな雰囲気です。

 日本では東京女子医科大学の入試の問題が話題ですが、同じ男女平等(東京女子医科大学の問題はそれだけではありませんが)という観点では、私の周りではサウジアラビアとカナダの間の外交問題が話題です。

 この外交問題で特に話題になっているのは、両国間が予想以上にヒートアップし、サウジアラビア政府が、カナダで学ぶ学生や通院する患者を全員帰国させる措置をとることを決めたことです。あと1年でカナダの博士課程を卒業予定だった方が、博士号を無事取得できるのかも不透明な中、短縮卒業を目指してとりあえず博士論文の執筆を開始した、という話を聞いています。

 今月はAAPM Summer Schoolと、続いて開かれたAAPM Annual Meetingに参加しました。

 Summer Schoolは例年、Annual Meetingと別の場所で開催されますが、今年はAnnual Meetingの直前に同じナッシュビルで開かれました。世界各地から200人弱が集まり、今年のテーマ”Image-Guided Radiation Therapy”ついて、基礎を中心に広く学びました。また、このSummer Schoolで仲良くなった方々をきっかけにして芋づる式にネットワークが広がり、数日後のAnnual Meeting中、そしてボストンに帰ってからも、新しい研究仲間との素晴らしい出会いがありました。2019年のSummer Schoolは、Annual Meetingとは別の都市でやるそうです。

 今年のAAPM Annual Meetingは、私にとって最高の学会でした。ボストンに来てから研究分野が広がったことで、参考になる発表がとても増えたように感じました。しかし理解できる発表が増えるにつれ、次はそれでも理解ができない部分に関心が移るようになりました。これは私の場合は臨床的な数値や機械学習などでした。

 ボストンに来た当初の目標は「ボストンでの研究をAAPMで発表すること」でした。私の発表には、日本・ボストンの同僚達、Summer Schoolでできた友人達など、多くの方が聞きに来てくれ、目標を達成できた喜びを噛み締めました。また、私を知らない人が発表を聞いて私に声をかけてくれるようになったり、スライドと参考文献を送ってくれというメールを後日頂いたりと、発表の効果を少なからず実感しました。

 Nashvilleは小さな都市です。Summer Schoolの友人達と外を歩くと日本からの先生方に会い、ボストンの同僚達とバーへ行くとオーストラリア・ニュージーランドの物理士達(Aussie, Kiwiと呼ばれている)と仲良くなり、ラインダンスを踊っていたらポスドクに来ないかと誘われる、不思議な縁が続く日々でした。いつか読んだ「夜は短し歩けよ乙女」を彷彿とさせる、そんなMusic Cityの夜でした。

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 今年のボストン・レッドソックスは記録的な強さでが、「私が観戦に行った日はレッドソックスが勝てない」という記録を未だに更新中です。その確率を計算すると2%でした。