Chantori Blog

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内職中に創造性が向上する理由

三上という語がある。その昔、中国に欧陽修という人が、文章を作るときに、優れた考えがよく浮かぶ3つの場所として、馬上、枕上、厠上をあげた。これが三上である。 -「思考の整理学」外山滋比古 ちくま文庫-

この三上というのはとても共感できます。パソコンの画面をにらめっこしても見つからないプログラムのバグが、お風呂に使った瞬間に解ける、という経験は何度もしてきました。まさにEureka!ですね。「思考の整理学」においては、この三上の理由として、考える過程に時間をかけたために解けるのだ、と言っています。

 

しかし、僕の考えは少し違います。

僕は授業や講演(、時にはコンサートなど)を聞いている間に、自分の創造的性が向上する、ということがよく起こります。しかしこれは、興味深い話を聞いてインスパイアされるためではありません。恥ずかしい話ですが、むしろ相手の話が難しすぎて頭に入ってこないという状況が、逆に別の問題を考える余裕を生み出しているように思います。

授業や講演では、恐れ多くてスマホをいじってられません。頭に入ってくる情報が何もないため、何か考えるしかすることがない、という状況が作られるのだと思います。強制的に研究上の問題についてあれこれ思いを巡らさざるをえない状況が作られるため、自分の創造性が高まる、という仮説を持っています。