Gravity’s Kiss（原書）を読みました。

評価 ★★★☆☆

少し前に話題になった、史上初の重力波の観測についての本です。著者のハリー・コリンズさんは重力波の研究グループに社会学者として加わり、観測の裏舞台を長年見てきました。

重力波の研究チームは1000人以上からなる多国籍グループで、大所帯であるがゆえの難しさや、ノーベル賞級の大発見を世界に公表するまでの葛藤など、とても詳しく書かれていました。また、観測当時にやり取りされたメールが度々引用されており、ストーリーに臨場感がありました。

ただ…かなり難しかったです。おそらく専門外の人のためにかなり簡略化した説明をしているのだと思いますが、それでも理解度は6割未満のような気がします。科学的な説明の箇所はなんとかついていくことができましたが、筆者のエッセイ風な部分は正直あまり理解できませんでした。

この本を読んだあとにTOEFL ITPのリーディングの文章を読むと、中学校の教科書並みの簡単さに感じました。そういう意味では英語の勉強としては良かったのでしょうか。

重力波の論文が出て大騒ぎになった頃、僕もこの論文をダウンロードして読みましたが、結果の図がきれいであること以外は何一つ理解できませんでした。この本を読み終えてまた論文を読んでみると、論文の記述が本に書かれていた裏話とマッチしているなど、少し興味を持って読むことができました。

この本を買ってから数ヶ月、「1日5ページ」のノルマを自分に課してきました。ノルマを達成できた日は2日に1日程度だったかもしれませんが、なんとか読み終えられてほっとしています。

2017年10月12日追記：
ノーベル物理学賞受賞、おめでとうございます！