「理系のための英語論文執筆ガイド」を読みました
原田豊太郎著 「理系のための英語論文執筆ガイド」を読みました
評価 ★★★★☆
副題に「ネイティブとの発想のズレはどこか?」あるとおり、日本語を英語に翻訳するときに、不自然・不正確な表現になりやすい箇所を丁寧に指摘していました。また、日本語話者が使いがちな表現の改善例など、とにかく正しい英文の具体例が多い点では、今後も役立つ本だと思います。
ただ、恥ずかしながら、僕は文法用語(目的語、主格、関係代名詞の非制限用法)などといった用語の定義はよく理解していないので、文法用語で説明している部分は難しく感じました…。
本の主題とは外れますが、英語という言語を一段階深く理解ができたような気がします。冠詞を例にとると、受験勉強では
「文中で初めて出てきた単語には”a”を使い、二度目以降は”the”を使う」
というルールを頭に入れてきました。しかしこの本を読んで、
「”a”を使うということは、その単語が1つである、または新出単語である、ということを表していて、”the”を使うということは、その単語が既出であるという事を表している」
ということを理解しました。
言い換えると、英語という言語では、
「定冠詞と不定冠詞のどちらが文法的に正しいか?」
という消極的な発想ではなく、
「不定冠詞ではなく冠詞を選択することで、その単語が新出であることを読者に伝える」
という積極的な発想に基づいた言語なのだということに気が付きました。
もう少しスッキリと理解して、わかりやすい言葉で伝えたいものです。