Chantori Blog

Medical Physics / Monte Carlo Simulation / Medical Image Processing

Month8: 4th of July

 74日は、アメリカの祝日(独立記念日)でした。ボストンは独立運動の中心地であったこともあり、この祝日の盛り上がりは全米一と言われています。私は誰もがこの日を”Independence Day”と呼ばず、代わりに”4th of July”と呼ぶ事にとても違和感を感じていました。ボスからのメールの最後には

“Have a great 4th of July!”

と書かれていましたし、行きつけのCVSBolocoに貼られていた短縮営業の張り紙にも、”4th of July”が使われていました。なぜChristmas”25th of December”と呼ばれないのに、Independence Dayはこう呼ばれるのでしょうか?友人たちからは、

  1. 他の祝日は”○月の第月曜日などと毎年変わるのに対し、この日は変わらないから。(キング牧師ジョージ・ワシントンの誕生日の祝日ですら第3月曜日とされている)
  2. イギリスに配慮しているから
  3. 日にちで呼ばないと覚えられないから

といった回答をもらいました。f:id:chantori:20180725093448j:plain というわけで夕焼けのきれいだった4th of Julyは、MITに通うKiriの家の屋上から花火を眺めました。昨年大曲や稲川で見た花火を思い出してセンチメンタルな気分に浸っていましたが、短時間に集中放火するアメリカの花火にすぐに吹き飛ばされました。

 この時期の欧米はバカンスシーズンです。ラボから人影がなくなる時期、バカンスを終えてまたラボが騒がしくなり始める時期、といったタイミングを理解しておくことは、研究の様々な面で役立つかもしれません。例えば論文の投稿や査読のタイミング、この時期の学会に参加する欧米の研究者のメンタリティ、などを考えるヒントになるのではないでしょうか。

 7月末には、AAPM Annual Meetingがあります。私のいる部門の若手は10人弱が口頭発表をします。AAPM直前の2週間は、毎週開催の医学物理カンファレンスが若手の発表練習に振り当てられました。私もポスドクに混じり、ボストンに来て最初に取り掛かった仕事について、発表練習をしました。また、他の州にいる共同研究者とは、Skypeで発表練習をしました。
 一連の発表準備を通して改めて感じるのは、周りの方々の「アドバイス力」の高さです。他者に対して「積極的で建設的」な指摘をするという姿勢を強く感じます。またこれは以前にもブログで触れたことがありますが、先生方はとにかくよく人を褒めます。部局長の先生はこの日の夕方に、発表した若手一人ひとりのデスクを訪れ、褒めちぎっていました。

chantori.hatenablog.com

 共同演者の方々からは、質疑応答の練習など専門的な準備から、Powerpoint上での聴衆の注意の導き方など一般的な発表手法まで、とても手厚い指導を受けました。感謝の気持ちと共に、周りのベクトルと自分のベクトルをうまく合わせられている事への充実感もあります。

 いつの間にか私の主戦場となってしまったAAPM Annual Meeting、今年はどのような学会になるのでしょうか。今回の学会を通して、自分がボストンで過ごしたこの8ヶ月の成長を試すことができるのではないか、と期待しています。

2018/08/15追記
BostonのMuseum of Fine Arts (MFA) では、"4th of July"ではなく"Independence Day"と記載していた、という情報を頂きました。MFAの名誉のために、追記しておきます。